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特集

築古マンションが
生き返る

築古物件を再生する性能リノベーション術

住み替えのマンション探しで、中古マンションという選択肢は「あり」か「なし」か。住宅雑誌やネットで盛んにそんな論議が交わされているのを目にされたこともあるのではないでしょうか。新築マンションは内装や設備が真新しく、資産価値も高いことから誰もが憧れます。それに対して、価格が安く、立地条件も比較的良いなど、中古マンションにも見逃せないメリットがあります。ただし、気になるのが「築古」問題。築年数が古くなるほど建物や設備の性能劣化が気になり始めます。

築古マンションが生き返る
築古を知る

築年代ごとにこんなに違う、
マンションの性能・特徴

築何年からが築古?
年代ごとの性能は?

築15年からは「築古予備軍」?

例えば新築時からの補償期間を過ぎ、そろそろ住まいの性能や設備機器類に不具合が生じ始める「10年目」はマンションのひとつの曲がり角ですが、一般的な観点からすれば築10年はまだまだ「新しい」マンションと考えられそうです。また「築15年」を築古の節目とする考え方もあります。これは今から16年前の2000年に施行された品確法を基準とするもので、この法律によって、マンションは住宅性能表示を義務づけられるようになりました。それまで不透明な面の多かったマンションの性能が明確化されたわけです(年代別マンション性能図参照)。

もちろん、これ以前のマンションのすべてが性能に問題があるわけではありません。築年数が古くても、性能が良く、しっかり管理・メンテナンスされ、年月を経ても高い価値を維持し続けている物件は少なくありません。とはいえ、ひとまず築15年以上の物件はそろそろ「築古予備軍」と言えるのではないでしょうか。

年代別マンション性能図は「読むリノ」で

築古再生のポイント 1

「断熱」が快適を生み出す。

築古特有の
「暑い」「寒い」を解消。

スケルトンリノベーションで
住まいの空間を全面的に改修する

築古再生リノベーションの第一歩は「断熱」による室内環境の改善から始めましょう。 断熱施行を行うには、住まいの内装をすべて解体・除去し、スケルトン(構造躯体)状態にします(性能にさまざまな不安を抱える築古物件の再生では、このように住まいをゼロから見直すスケルトンリノベーションが有効です)。この時、部屋と外気が接するすべての面を断熱材または断熱サッシで覆います。

例えば階下が駐車場などになっている部屋なら床下も、部屋が建物最上階にあれば天井も断熱材で覆います。実際には、部分的な断熱施工で済ませてしまう業者もありますが、部分断熱では冷暖房効率が落ちるばかりか、断熱しない場所にかえって結露が集中するなど、事態を悪化させてしまうケースもあります。

築古再生のポイント 2

暮らしを脅かす「不安」をとりのぞく

結露・カビ・給排水管、
見えない不安を一掃。

断熱リノベで結露・カビの
発生原因は元から断つ

築古マンションによくある悩みのひとつが「結露・カビ」です。その原因は前項で触れたマンション特有の「暑さ・寒さ」と無関係ではありません。室内の湿気が室外に逃げず、それが朝晩の気温変化などによって結露を生じ、そこにカビが繁殖していきます。重要なことは、クロスの張り替え等の部分リフォームでいったんはカビを取り除いても、建物の構造が変わらなければ、時間とともに再び結露・カビが発生してくるという点にあります。

水の不安を解消する

住み替えで中古マンションをお探しの場合、実際に物件を見に行くことがあると思います。多くの場合、部屋は公開前にリフォームされており、見た目は真新しく新調されていますが、実は本当の不安は「見えない所」にあります。給排水管もそのひとつ。3頁でも触れましたが、古いマンションに使われている鋼管は、年月の経過とともに管内壁や継手部分(管の連結部分)が錆びていきます。

before
after

結露やカビを放置すると、建物自体を傷めるだけでなく、アレルギー疾患など住む人の健康をも脅かします。

after

老朽化した給排水管は錆や腐食により漏水の不安につながります。

新築にはできない「自分らしさ」

築古だからこそ積極的に
リノベーションできる

築古は、大胆な改造ができる分だけ住まいのカタチを自分好みに作り替えられるというメリットもあります。間取りやデザイン、内装材へのこだわりも「自分流」。それは新築マンションにはない贅沢のひとつです。
愛着あるご自宅マンションを、将来のライフスタイルに向けて改造するもよし、磨けば光るダイヤの原石のような「掘り出しモノ」物件を探して、憧れだった空間を自分のものにするもよし…。築古マンションには、まだまだ魅力的な可能性が秘められています。

新築にはできない「自分らしさ」

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