リノベーションのヒント断熱リノベーションは、窓だけではだめ!尾崎教授に聞きました。
断熱リノベーションでの勘違い
「冬、いくら暖房してもマンションの窓辺りが寒い」 「暖房すると、まどにびっしり結露ができる」 「結露した周辺の木材が朽ちてしまっている」 「結露が酷く、壁にはカビが発生している」 特に、冬になると、このような暮らしの悩みを耳にします。 また、ジメジメした梅雨や夏にも、 「室内がジメジメしていて暮らしにくい」 「屋上からの熱気がひどく、夏場はクーラーが効かない」 「クローゼット内は、湿気がひどくてかび臭くクローゼットに洋服をおけない」 中古マンションリノベーションの際、どんな点に気をつければこうした悩みの解消につながるのか、京都府立大学で建築環境・設備学を研究する尾崎明仁教授に伺いました。
「窓だけ断熱すればいい」は間違い。外部に面する壁全体を高断熱に!
最近、室内の暑さ寒さをやわらげる解決策として「断熱」を勧める論調が盛んですが、尾崎教授によると、「実はここに大きな勘違いが潜んでいる」のだそうです。 というのも、よくあるリノベーションプランでは、窓まわりの改修だけを紹介しており、「断熱リノベーションは窓だけ工事すればいい」と思いこんでおられる方が少なくないからです。 たしかに、窓はマンションの中でもっとも熱の出入りが多い部分です。しかし、断熱性能は窓と壁の「熱性能×面積」の比較で決まるため、一概に「窓だけ断熱すればいい」というものではありません。
断熱リノベーションで考えること。室内の熱はどんどん移動していく
熱は、高いところから低いところへ移動する性質があります。 ある空間を全体に暖めた場合、熱はどこへも逃げずにその場に留まりますが、空間の一部だけを暖めると熱は暖められていない空間へ移動していきます。この現象をヒートブリッジ(熱橋)といい、たとえば断熱されていない壁を伝わって、暖房の熱が屋外へ逃げたり、反対に夏の炎暑の熱が室内に侵入したりします。 しかも、断熱性能とは「窓や外壁面積の5割を断熱工事したから、熱量の5割が逃げない」といった単純なものではありません。 「たとえ5割の面積を断熱しても、残り5割が断熱されていなければ、7割以上の熱量が逃げていく」のが、よくある断熱リノベーションの現実です。 特にマンションは、木造戸建て住宅と異なり、機密性が非常に高い構造になっています。つまり、窓だけの断熱を行ったとしても、かならず断熱されていない部分に空気が移動し、場合によってはそこで結露やカビを引き起こしたりします。 つまり、マンションの断熱性を本当に高めたければ一部ではなく、窓などの開口部と外気に接する壁面全体の断熱性能を向上させる必要があるというのです。
断熱リノベーションで考えること。断熱・気密・換気をセットで
断熱よりもさらに対策が難しいのが、結露の問題です。 ご存じのとおり、住宅の中でいちばん結露しやすいのは「窓」。そこで窓だけ断熱し、結露しにくくしたとします。ところが、断熱リノベーション後は室内温度が上がりますから、室内の水蒸気量が増え、室内の水蒸気は、断熱された窓以外の箇所へ移動します。このとき移動先は断熱されていない壁やクローゼット、押し入れなどになりがちです。 要は結露が解消されたわけではなく、窓よりわかりづらい場所に結露の発生場所を変えてしまうだけ。とくに壁の結露はカビが生えて初めて気づくことが多く、壁内での結露になるとさらに発見が困難です。 「こうした結露を減らすには、窓以外の箇所も全面的に断熱し、同時に換気性能を向上させて、住まいの中に水蒸気の結露場所をつくらないこと。 結露の問題には気密性も関わっていますので、断熱・気密・換気の対策をセットで考える必要があります」(尾崎教授) マンションでの、熱や結露の問題は部分的なリノベーションでは解決することができません。 スケルトンリノベーションで、住まい全体の断熱性・気密性・換気性を高めていくことで解決への道が見えてきます。さらに住居内全体的に行うスケルトンリノベーションの効果は、暑さ寒さをやわらげ、結露やカビを防ぐだけではありません。 住まい全体の温熱環境が均一化されるわけですから、住戸の中のどこに行っても同じ室温が保たれるようになり、温度差による心疾患の原因になる「ヒートショック」の危険性が下がります。ご自宅の中の「冬寒すぎる部屋」や「夏暑すぎる部屋」をなくし、住戸全体を有効活用できるようになることも大きなメリットです。
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